「へんな会社」のつくり方

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

この「はてなダイアリー」のサービスを提供してくださっている「株式会社はてな」の社長さんが書いた本。サブタイトルが「経営術」となっていて、確かに経営っぽいことも書いてあるのだが、自分的には近藤さんのものづくりに対する考え方が書いてある本だと思った。この場合の「もの」とは、家電や工芸品ではなく、ネット上のサービスのことを指すのだが。

本の中で印象に残った言葉をいくつか。

僕はなぜか、「世の中は、誰かが適当に作った、とんでもなく”でたらめな仕組み”で動いている」という世界観を持っています。

この考え方には一理あると思う。あっちの考えも考慮し、こっちの意見も踏まえた結果、理屈のみに縛られて融通の利かない仕組みになっているものが結構あると思う。

履歴書と言うのは1日あれば誰でも作れてしまうわけですが、1年分のブログというのは1年間かけないと作ることはできません。

たしかにそうだ。履歴書というものはその瞬間の自分しか表さないが、書き溜めた日記やブログには時間軸に沿った自分が埋め込まれていると思う。自分がどんな人間かを知ってもらうための手段として、ブログを公開することは意味があると思った。

人類がこれまで一度も試したことがなかった「人間の意識と意識が距離や時間を越えて繋がったときに何ができるのか」という可能性についての、壮大な社会実験が行われているからではないでしょうか。

コミュニケーション手段の進化について述べている一節にて。自分も最近、人とコミュニケーションをとることの重要さを痛感しているのだが、その手段は新しい技術と共にどんどん進化していくのだと思う。これまで交わることの無かった人たちが、ネット上で出会うことで生み出されるもの、そんなものが今後どんどん増えていくんじゃないかと思った。しかしこれらの新しい手法も、従来通りのリアルなコミュニケーションがベースとしてあるから成り立っているのではないかと思うので、そのことも忘れないようにしようと思った。

その他にも色々と思ったことはあるのだが、なんだか言葉にならないな。自分は具体的な「もの」を作る仕事についているのだが、いろいろと面白いことが書いてあって参考になりました。